苦行記録

マイクロマウス関連の不定期な日記みたいなものです

新作ハーフマウスの紹介

全日本大会が終わり、1ヶ月が経ち、新作のハーフマウスが完成しました。

今回のコンセプトは軽量非吸引2輪です。

機体名はまだ決めていません。募集中です。

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機体名  
全長 60mm
38mm
重量(バッテリー含)

10g

マイコン RX631 64pin
モータ

didel Mk06-4.5

エンコーダ MA700
モータドライバ DRV8836
IMU MPU-6500
センサ LTR-4206E+OSI5FU3A11C
バッテリー Indoor Airpolane World Original 50mAh
ギア

RT M0.3 9T

自作ギア付きホイール M0.3 36T

 

<3D CAD>

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<回路図>(レギュレータ付近のコンデンサの値が異なります)

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<基板レイアウト>

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特徴

・磁気式エンコーダ用の円形磁石に片面2極のものを使用

 磁気式エンコーダを使うにあたって、径方向の円形磁石を用いた場合、モータと引き合うことを阻止する磁気シールドとして鉄スペーサに圧入して使う方法が一般的に知られています。

僕も前作はその方法を用いていました。

しかし、磁石に対してちょうどいい大きさの鉄スペーサがなかなか見つからないことや、鉄スペーサの重さが気になっていました。

そこで、今回は片面2極の円形磁石を用いました。

片面2極は下図のように上半分はN極-S極、下半分はS極-N極のように、径方向の磁石を別の極同士で重ねたような極の配置になっています。

f:id:nout:20181231113911j:plain(画像:ネオマグ)

そのため、磁化方向が上下の平面に垂直の方向となり、走行に影響が出るほどモータと引き合うことがなく、磁気シールドが不必要になります。

したがって、今回の足回りは下図のようになりました。

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左からホイール、ベアリングx2、磁石固定用カラー、円柱磁石(直径3mm)、磁気式エンコーダICとなっています。

片面2極の磁石はネオマグだと直径3mmが最小径ですが、上図を見ると分かるように厚さが3mmもあります。

直径4mmだと厚さ1.5mmのものがあるのでそちらのほうがおすすめです。

定量的な評価はまだできていませんが、手で回した感じではモータと引き合っている感じは全くなかったので問題なさそう...(ほんとぉ?)

追記7/3

ピニオンギヤ外した状態だと普通に引き合ってました。ギヤが噛み合っていると引き合っているか分からない程度の引き合いです。

 

・ひっくり返されたジャイロ

何回コテを当て直してWHO_AM_Iを読んでも、0xFFや0x00などの虚無な値しか返って来ませんでした。

毎回マウス作るたびに同じ現象に遭遇しているので、単にはんだ付けが下手なんだと思います。

そこで、0.4mmピッチのQFNのジャイロのパッドにUEWで1ピンずつ足を生やして配線しました。

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同じようなことをしている人を見て、こんなん無理でしょって思っていましたが、やってみたら意外とできました。

普通に基板にはんだ付けするよりも自分には(動作確認込みで)簡単だったので、基板上のパッドはいっそなくてもいいんじゃないかなって思います。

ただ、接触不良が起きる恐怖が常に付きまとうのでおすすめはしません。

 

・軽量化について

前作との変更点は以下のようになっています。

 ベアリング 内径2mm外形5mm厚さ2.5mm→ 内径1mm外形3mm厚さ1mm

 シャフト 直径2mm長さ10mm→直径1mm長さ5mm

 磁石 径方向 直径3.2mm厚さ2.3mm→片面2極 直径3mm厚さ3mm

 鉄スペーサ 内径3.2mm外形6mm厚さ2.5mm→なし

 モータマウントの厚み 4mm→2mm

 バッテリー容量 110mAh→50mAh

 タイヤの個数 4個→2個

その結果、今作は10gと、前作より6gほど軽くなっています。

単純にタイヤの個数が減ったので軽くなって当たり前ですが、今作は標準的な重さになったと思います。

 

最後に

紹介すべき点は以上です。

ハーフマウスはこれで完成したので、今はクラシックマウスの設計をしています。

晦日もこんな記事を書いているぐらいには予定がないので、この勢いで設計を進めたいと思います。

それでは良いお年を。