磁気式エンコーダと加速度センサの併用
約8ヶ月ぶりの更新になります。この間にプチ大会やマウス合宿、関西地区大会など楽しかったりつらかったりしたイベントがたくさんあったらしいですが、遡る元気がないので記事にはしません。ちなみに、今後の地区大会は中部地区初級者大会を除いて全て行く予定です。東京→熊本→名古屋を1日で移動するのが楽しみで今から震えてます。
はじめに
磁気式エンコーダは既製品のエンコーダに比べて値のブレが大きいことが大半です。
使用する磁石の径が小さかったり、取り付ける際に磁石とエンコーダICが平行になっていないことなどで、エンコーダの値に周期的に歪みが現れます。
値のブレを抑える方法はいくつかありますが、今回はエンコーダと加速度センサを併用する方法を試してみました。
原理や実装などはここに詳細が書いてあるので省略します。
結果から言うと、値のブレはかなり抑えられ、それなりにうまくいったように思います。(改善の余地あり、機体によります)
加減速の各パラメータ
・加速度:5000mm/s/s
・速度:600mm/s
・初速度,終速度:0mm/s
・距離:270mm
・台形加速,FBのみ,角速度センサ使用,ただの直進
加速度
加速度センサは旋回中心、基板の裏に1つだけ配置しました。オフセット除去はしましたが、なにもせずに加速度を取得すると、かなり値が振動していることが分かります。そこで移動平均を取り、値の平滑化をしました。
加速時・減速時において目標値より大きい(小さい)値が計測されていますが、だいぶマシな値になりました。30msで移動平均をとっているのは、いくつか間隔を試した中で十分だと判断したからです。
速度
次に、速度も同様に移動平均をとっていきます。
移動平均をとらない場合でも、この機体では速度ブレはあまりないことが分かります。ですが、細かな値の振動が起こっていることが分かります。そこで、速度も加速度と同様に移動平均をとります。
これでかなり値の振動が抑えられました。ですが、移動平均をとったことで値に遅れが生じている(右方向にシフトしている)ことが分かります。次に、この遅れを加速度を用いて補正していきます。
速度(加速度を併用)
30msの移動平均をとった速度に、30msの移動平均をとった加速度を積分して足し合わせました。
遅れはなくなり、エンコーダのみの値に比べて加速度センサを併用したものの値のほうが振動は抑えられています。加速から定速に移った直後の速度がエンコーダのみの値に比べて大きくなりすぎているのが気になりますが、最初に示した条件での加減速ではそれなりにうまくいっているように思います。
最後に
今回は試しでざっくり行ったため、移動平均に関して十分に検証ができず、まだ改善の余地がありそうです。また、加速度の取得に関して、機体に1つしかセンサが載っていないことから加減速時に機体が前後に傾くことで、加速度を上げた場合に大きく影響が出る可能性があると考えられます。そもそも、エンコーダ単体での速度ブレが大きくないこの機体において、加速度センサを併用する必要はそこまでなさそうに思いますが...